ストロボって2灯無いとダメだって思っていませんか?
夏季パパカップの余韻が冷めやらぬなか、SEA&SEAさん協賛のスタッフ研修に紛れて水中ストロボYS-D3を使ったライティングの新しいスタイルを探って来ました。
ここに「ストロボが2灯無いと光が足りない」時代は終わったと宣言します!
前回、YS-D3の水中テストの初回の感触で、光の回りやすさ、配光性能の良さと十分なパワーを実感。
これまでの倍くらいパワーに余裕がある印象でした。
そんな時、SEA&SEAさんからドームディフューザーなるものをお借りして使ってみました。
通常より広範囲に配光できる拡散版なのですが、これを使うと照射角が2灯分に広がるんだそうです。
1灯で2灯分の働きをしてくれるなんて最高です。
果たして本当でしょうか?
テストしてみました。
1m程の距離の壁にストロボ当てて配光の変化をテストします。
1. 横に展開した2灯の場合
ワイド撮影で一番典型的なライティングです。
微調整をしなければ画面の両端が明るく、中心の亀裂の中には光が回っていません。
2. 1灯でディフューザーなしの場合
ストロボはハウジングの上部から正面に向けたチョンマゲスタイル。
ディフューザーがないので画面下半分は全く光が当たっていません。
3. 1灯でノーマルディフューザー付きの場合
同梱品のディフューザーを付けて、同じくチョンマゲスタイルでの撮影。
画面下部まで光は届いていますが、ムラがあるのがよく分かります。
こりゃ「やっぱり2灯ないと物足りない」となっても仕方ありません。我々にとってはビジネスチャンスでございます。
今までは。
事件は次の一枚で明らかに。
4. 1灯にドームディフューザーを付けた場合
衝撃。
ほぼ全画面に均等に配光されています。しかもウツボまで写るサービス付き。
※ドームディフューザーを使うとGNは約-1.5EVとなります。この一枚以外はGN5.6で撮影。この一枚はGN16で撮影しています。
画角は35mm換算で20mmです。TGシリーズをお使いの方はフィッシュアイコンバージョンレンズを使用した画角より、気持ち狭い位のイメージ。
TGシリーズをお使いの方はもちろん、一眼ユーザーでフィッシュアイレンズをお使いの方以外は正直これで十分ライティングが間に合ってしまうかと。
要はドームディフューザーがあれば2灯分の投資をしなくても1灯で十分ですよ、ということ。
光は勝手に縦横無尽に拡散してくれるので、ライティングの角度がどうこうとかお構いなし。レンズと同じ向きさえ向いてれば十分。
ストロボ使ってみて、光を当てるのが難しいと感じた方はぜひお試しください。
ストロボのスイッチ入れるだけで調整は完了です。
まだストロボ1灯の方、光量不足で2灯目を悩む時代は終わりました。YS-D3ならとりあえずドームディフューザーを買えばなんとかなります!
1灯で十分照らせるのに無駄に2灯使おうとは思いませんよね。
2灯は2灯で2灯でしかできないこともありますが、それはまた今度!
ストロボの遊び方新提案
なーんだ、じゃあこれからストロボは1灯だけあればいいんだー。
いやいや、せっかくアームは2本伸ばせるんですから2灯の使い道を模索しましょう。
片腕ストロボ+ドームディフューザー、片腕ライトなんていうのもいいかも知れませんね。
リングライトとか、FIXライトとか。
そうすれば、ワイド撮影からウミウシや生えモノなど、さらには動画にも即対応できますね。
今回はもう一つの選択肢「ストロボスヌート」をご紹介します。
ストロボの光を絞ってスポットライト的に照射する筒状のアクセサリーです。
こんな風に部分的に生物を照らして浮かび上がらせてみたり。
光の筋で奥行き感を演出できるかも。
左側にドームディフューザー、右側にスヌートを装備。
通常のライティング時には、ドームディフューザーのストロボだけスイッチオン。
ちまちました調整は皆無です。ストロボのオンとオフだけ。
ちょっと雰囲気変えてスパイス効かせたい時はスヌート側だけオン。
スヌート側もあらかじめストロボの位置は決まるので、これもちまちました調整は不要。
必要な手数は左右のストロボのオンとオフだけ。
例えば、ニシキフウライウオを見つけました。
なんとお腹にタマゴを抱えています!子供の分まで必死に身を隠している様子と体全体を収めようと思ったら、ドームディフューザー側だけオン。
パシャ。
一撃必殺。
よーく見ると、ニシキフウライウオのデザインって独特。ちょっとムーディーに演出しちゃおっかなと思ったら、スヌート側だけオン。
十五撃一殺くらい。慣れるまで難しいですね。本当は抱卵している様子を射抜きたかったんです。
でもダイブコンピューターがもう帰りなさいって言うから。。。
まあこれはこれでまさか生き物だなんて思えない仕上がりに。
左右のストロボのオン・オフだけでこんなに違う写真が撮れると思ったらワクワクして来ちゃいますね。
これからは2灯がお互いを補い合いながら使うのでなく、左右に役割を決めて多彩なライティングで遊べる夢のような使い方ができそうです。
技術の進歩は素晴らしいですなあー。
おや?結局2灯あった方が良いですよって話で終わっちゃいましたね、おかしいなあ笑
以上、勝手に一人パパカップのご報告でした。